【創業支援コラム】税務調査

税務調査

新型コロナの感染拡大防止のため、引き続き普段よりも時間を短縮して業務をさせていただいております。5月も、多くの方から八王子で会社設立をしたいというお問い合わせをいただいております。ありがとうございます。                                    一年を通して、新しく会社が設立される件数の最も多い時期が、春の時期といわれています。新型コロナの影響はあるものの、新しく会社を設立したいというニーズは多い、と実感しております。

 会社を設立するときに、定款でたとえば「当会社の事業年度は、毎年5月1日から翌年4月30日までの年1期とする」というように、会社の事業年度を決めます。また、最初の事業年度は定款で「当会社の最初の事業年度は、当会社設立の日から令和3年4月30日までとする」と決めます。

 上記の定款の定めでは、4月決算となり、6月30日までに決算書を作成し、また税務申告書を作成し、さらに会社の所定の税金を納めます。                            多くの社長が、決算・申告を終わらせて、納税を済ませるとひと安心されます。

 決算・申告が何回か終わると、税務調査があります。                     「税務調査」とはよく聞く言葉ですが、税務調査をきちんと理解している経営者は、ほとんどいないのが実態です。なにせ、会社や社長にとって税務調査は、オリンピックよりも頻度が低いイベントなのですから、当然といえば当然でしょう。

  税務調査とは、税務署の国税調査官という公務員が会社に来て、帳簿書類などを確認して、税金の計算に誤りがないかどうかを確認することです。                        そして、調査官が帳簿などを見てよくわからないことがあると質問してきますので、それに回答しなければなりません。

「これは5月の売上になっていますが、4月の売上ではないのですか?」

「奥さんが役員になっていますが、奥さんは具体的にどんな仕事をしているのですか?」

「この接待交際費は、誰と行ったのですか?」

「この取引に関する契約書を見せてください」

 あくまでも例示ですが、このような質問が典型的なものです。

 帳簿の内容を確認するだけなら会計事務所で回答できるのですが、社長や会社の人でないとわからないことも多いため、実際には調査官の質問には、社長に回答してもらうことになるのです。

 税務調査で大変なのは、時間的拘束かもしれません。なぜなら法人の税務調査は2日間行われるのが普通であるからです。午前10時から始まり、正午から1時間の昼休みをはさんで、夕方4時まで行われるのが一般的です。2日間というのも、あくまでも税務調査であまり問題がなかったときで、問題が出れば出るほど、その日数はどんどん伸びていくことになります。

 社長としては、税務調査の予定が入ってしまうと、税務調査に対応する間は、仕事の予定を入れることができなくなるため、ちょっと大変です。ただし税務調査といっても、ずっと質問されているわけではないので、電話に対応するなど、最低限の仕事はしていただいて構いません。

 なお税務調査は、2~3週間前に税務署から会計事務所に連絡があって、予定を調整して決めることが通常です。しかし、事前の連絡なく税務調査が行われる、つまりある日突然いきなり、調査官が会社にやってくることもあります。これは「無予告調査」と呼ばれるものです。

 税務調査は、脱税など悪いことをした会社や社長を取り調べるために行われるものではなく、あくまでも税務署に提出された申告内容が正しいかどうかを確認するためのものですから、調査官を怖れる必要はありません。                                    調査官の態度が横柄であったり、言葉遣いが悪いような場合もありますが、社会人としての対応に疑義を感じるのであれば、調査官本人に指摘して、是正を促しても構いません。悪いことをしていないのであれば、税務調査といえど、普通のビジネスシーンと同じようにふるまえばいいのです。

 八王子・多摩会社設立支援機構は運営元が会計事務所です。税務調査の立会いも多くの経営者からご依頼をいただいております。

 

            

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